低速電力線搬送(低速PLC)テスト第1回レポート 本社テスト


実験日時 2008年05月13日
実験場所 トラストシステム本社
実験機器 低速PLC=非公開、高速PLC=松下(型式番号は非公開)
実験目的 高速PLCでは非実用的な結果で、条件を整えると稼動するという結果であったが、
       低速PLCではどの程度の通信が可能であるかを比較検証する
実験内容 本社内の各コンセント および 建物の1階と10階 において簡易ループバック試験による
       パケットロス及び通信速度の測定
通信方法 RS232C 2400bps相当
実験担当 三田、清水

実験結果:下記の通り

送信端末 受信端末 パケットロス 平均通信速度 実験結果 家庭用
高速PLC
本社コンセント1 本社同一室内コンセント 0% 1〜2mS
本社同一室内コンセント
 延長ケーブル使用
0% 1〜2mS
本社同一室内コンセント
 携帯充電器隣接
0% 1〜2mS ×
本社廊下通路コンセント
 PHS充電器隣接
0% 1〜2mS ×
本社コンピュータ室 0% 1〜2mS
本社サーバルーム
 テーブルタップ
0% 1〜2mS
本社コンセント1
 携帯電話充電器、
 PHS充電器、
 バッテリー充電器
 テーブルタップ
 FOMA充電器(※2)
本社通路 壁面コンセント(※1) 0% 1〜2mS
本社通路 壁面コンセント

他のコンセントから掃除機
0% 1〜2mS ×
本社通路 壁面コンセント
同一コンセントから掃除機
100% TIME OUT × ×
本社コンセント 同一階 共用部 コンセント 100% TIME OUT × ×
共用部10階コンセント 1F駐車場内コンセント 0% 1〜2mS ×

(※1)実験時の写真: 「条件のよい設置」
 廊下に設置。 このコンセントの空いている口に掃除機を接続すると、さすがに通信ができなかったが、他のコンセントに掃除機を接続した際には問題なく通信ができた。

低速PLC通信テスト


(※2)実験時の写真: 「条件の悪い設置」
 1つの配線部に多数の妨害機器を接続できるように、壁面コンセントはもともと2口だったものを6口に変更し、写真のように100円ショップの安価な延長ケーブルタップを利用し、その最先端部にPLC機器を接続して実験した。
写真中央よりやや下の灰色の電線がPLC機器へ繋がっている。

PLC通信テスト



以上、明らかに通信できなそうな部分については通信ができなかったが、ブリッジなどの追加装置を用いることなくL線とK線をまたぐ場合を含め問題なく通信ができた。
実験時にはパソコンが数台、ノートパソコン、レーザープリンタ、FAX、サーバが6台、携帯電話充電器など多数、空調機、蛍光灯、その他多数の家電製品を利用した状況下においても問題なく通信ができた。
延長ケーブル、テーブルタップなどの機器を通しても問題なく通信ができた。
PLC機器と同一でないコンセントで家庭用掃除機を利用しても問題なく通信ができた。
また、建物の1階駐車場内コンセントから最上階(10階)の共用部へも問題なく通信ができた。

共用部と専有部をまたぐ場合と、PLC機器にと同一のコンセントに掃除機をつないだ場合だけ通信ができなかったが、これは検証のために意図して通信ができない状況を作り出したものである。

以前に松下の家庭用高速PLC機器を使用した際には、通信ができないことが多く、むしろ好条件のときにだけ繋がるという結果であった。
携帯電話充電器と隣接させることにより通信ができなくなったことと比較すると、今回試験した低速PLCはかなり信頼性の高い通信手段であることが確認できた。

また、今回通信ができなかった、建物の専有部と共用部の回路間にはブリッジユニットを取り付けることで、問題が解決するという説明をメーカーからいただいている。

十分に実用的であると思われるので、条件を変えながら、随時追試を行いたいと思う。